【前三部作ネタバレあり】マトリックスレザレクションズ感想

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こんにちは、BOBO(@BOBO08192729)です。

先日映画館でマトリックスレザレクションズを鑑賞してきました!
詳しくない方のために申し添えておくと、この映画は

マトリックス

マトリックス リローデッド

マトリックス レボリューションズ

マトリックス レザレクションズ

という流れのシリーズ4作目となります。
マトリックス~レボリューションズの3作で一旦完結していましたが、18年越しの新作がこのほど公開されたというわけです!

前三部作は上映が僕の青春時代ど真ん中で、今のデザイナー人生にも少なからず影響を与えている映画シリーズです。
もはや肌に染み込んでいるレベルでリピート鑑賞しており、自分のアクション映画好き、SF好きは間違いなくマトリックスの影響ですね!
学生時代にDVDを買って、アクションシーンだけ何度もリピートしたのはいい思い出ですw

今回は前3部作を自分なりに振り返りつつ、新作リザレクションズの感想をまとめてみました!

※この記事では前三部作についてストーリーのネタバレがあります。

※レザレクションズはストーリーについて言及していませんが、何の情報も入れずに映画を楽しみたい方は、映画を観終わってから記事をお読みください!

マトリックス(1999)

世紀末に突如として現れた革命的SFアクション映画
上映開始時は規模も小さくさほど期待されていませんでしたが、新感覚の映像表現と、香港映画ばりのワイヤーアクション&殺陣が評判を呼びたちまち世界的ヒットとなりました。

ちなみにタイトルのマトリックスとは「暴走したマシンに眠らされ、人類が強制的に見せられている仮想現実」のことです。

主要登場人物は以下の通り。


ネオ(キアヌ・リーブス)
主人公。しがないプログラマーだったが救世主として覚醒していく

トリニティ(キャリー=アン・モス
ネオと肩を並べて戦うヒロイン

モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)
ネオを救世主として見出すメンター

エージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング)
マトリックス内を巡回するプログラム。ネオ達の宿敵


僕が人生で最初にハマった映画であり、その後にも大きく影響を与えてくれた一本です!
ちょうどこの頃DVDのリッピングを覚えて、アクションシーンだけを抜き出してPCでリピート再生して悦に入っていたのをよく覚えています^^;

ターミネーター2の8年後公開とはいえまだまだCG黎明期の作品なのですが、それまでのアクション=生身でやるものという常識を覆し、CG処理を多用したアクションシーンは今まで見たこともない映像体験でした。

今見ると映像全体が人工的な感じがするのですが、当時としてはそれが新しかったんですよねw
CGを多用することで一種独特な不自然さが映像に漂い、その異世界感が「この世界はまやかし」「東洋の神秘的哲学感」というこの映画のテーマともマッチしていました。

一方ストーリーは「一人の男が救世主として覚醒するまで」という単純明快なもので、痛快な娯楽アクションとしてもしっかり楽しめます!

この映画に限らず、大ヒットしてポップアイコンと化した映画というのは多くの作り手にも影響を与え、パロディやフォロワーが山程作られるものです。
その結果今見ると既にありふれた表現の1つに見えてしまうというのは本当によくある話。
ブレードランナー然り、ジョーズ然り、ターミネーター然り…このマトリックスのバレットタイムもまさにその典型と言えますね!

マトリックス リローデッド(2003)

一作目の4年後に続編のリローデッドと最終章レボリューションズが立て続けに同年公開されました。
今ではよく見る「シリーズ物の最終章だけ前後編で公開!」みたいなやつですね。

前作からCG技術も各段に進歩。
前作ラストで救世主として覚醒したネオのアクションはより超人的なものになり、すべての要素を拡大したボリューム特盛の続編となっています!

ネオは重力を無視する、空を飛ぶなど救世主として力を遺憾なく発揮できるようになったため、デジタルダブル(CGで作られた人間がアクションをすること)が格段に増えました。

もちろん前作で多用されたワイヤーアクションも健在。
より空間を広く使ったダイナミックな殺陣が楽しめます。

リローデッドの個人的見どころは2箇所。
高速道路のカーチェイスネオ対スミス軍団のバトルです。

カーチェイスは撮影のためだけに高速道路を建造したという力の入れようで、その甲斐あってか車ぶっ壊し放題のド派手シーンになっています!
バイクで高速道路を逆走するという、CGなしには不可能だったアクションも当時としては画期的でした。

ネオ対スミス軍団のバトルはデジタルダブル大活躍のシーン。
自己増殖できるようになったスミス軍団との殺陣は今見るとCG感が強すぎて違和感ありますし、スミスがあまりに多すぎて笑っちゃいますw
結構な尺を割いて延々戦った挙げ句、結局ネオは空を飛んで逃げるだけという展開の粗さもご愛嬌ですw

ドラゴンボールばりにパワーインフレしていくネオも愉快ですし、引き続き哲学的な雰囲気はあるものの、実は前作よりも頭を空っぽにして楽しめる痛快アクション映画になっています!

マトリックス レボリューションズ(2003)

リローデッドから間髪入れず公開された三部作最終章

前二作は仮想現実であるマトリックス内の描写が主だったのですが、レボリューションズでは打って変わって現実世界側の描写が多いです。
作品のトーンもやや変わり、少し重めの人類VSマシンの戦争映画的側面が強くなっています。

前作ラストでネオは救世主の力を何故かマトリックスの外でも行使できるようになりました。
一方マトリックス内ではエージェント・スミスが増殖し続け、マトリックス崩壊の危機を迎えます。
そんな中、現実世界では生き残った人類を抹殺すべくマシンの軍団が迫る・・・というストーリーです。

公開当時は上記戦争映画的なトーンに面食らった人が多かったようで、「思ってた最終章と違う」みたいな感想が多かったように記憶しています。

ですがいま三作まとめて観てみると、壮大なマトリックスのストーリーをしっかりと着地させた最終章だと言えるでしょう。
(なぜネオが現実世界で救世主パワーを行使できたかとか分からずじまいですが)

この最終章でネオ・トリニティは命と引き換えに人類とマシンの戦争を終結させ、モーフィアスは二人の意思を継いで人類再興の決意を新たにする・・・という結末でした。

マトリックス レザレクションズ(2021)

そしてそれから18年、まさかの続編がこのレザレクションズというわけです。

ネオとトリニティは死んだはずでは?
人類とマシンの戦争は集結し、マトリックスは崩壊したはずでは?

などなど疑問が尽きない状態で鑑賞開始!

結論からいうと、前三部作が好きな人がノスタルジーに浸るための作品でした。

まずストーリー自体、前三部作をしっかり観ていることが前提の作りになっています。
映画全体が非常にメタな構造の物語構成になっているのですが、ここが過去作の知識がないと全くついていけないと思います。

マトリックスという映画が、僕たちが生きている本当の現実世界に与えた影響を映画のストーリーに取り込んでいる、という構造は面白いと思いました。

劇中ではネオ達の戦いが歴史として公然の事実となっている世界観で話が進みます。
過去作の登場人物がほぼ説明なく出てきたり、専門用語もバンバン飛び交います。

また劇中、絵作りセリフでも前三部作のオマージュが連発されます。
過去作の映像そのものも作中で何度も挿入されます。
僕のように過去作をつぶさに覚えているような人にとっては「あーこれはあのときの!」とニヤニヤしながら鑑賞できますが、馴染みがない人はそういった楽しみ方もできません。。

あと一作目ほどは難しいにしても、マトリックスといえば革新的映像表現をやはり期待してしまいます。
ですが今作では目新しい映像表現・アクション演出は特にありませんでした。
そこを目指した作品ではないということなのでしょう。

主役のネオ・トリニティの二人がそれなりに歳を重ねているというのもアクション映画としては致命的です。
当然若い頃ほどは動けないので、あまり引きでアクションを見せてくれず、アップ+速いカット割りで誤魔化す方向の演出になってしまっています。
今のキアヌにジョンウィックのようなガンアクションならまだしも、カンフーアクションは酷です。

そもそもマトリックスが目指すアクションの形は、今のアクション映画のトレンドと決定的にズレてしまっています。
現行のアクション映画は「できるだけ役者本人が」「生身のアクションを」「CGなしでガチンコでやる」がトレンドです。
マトリックスはそれとは真逆の哲学で作られた映画であり、リザレクションズはどちらにも突き抜けられていないと言わざるを得ません。

そしてクライマックスの展開。
これは時代に即したものと言えますし、監督の生い立ちも大いに関係していると思われます。
そういう意味では時代性・作家性が刻印された映画ということはできるでしょう。

まとめ

個人的には少し残念な一作でした。
自分の若かりし頃の思い出とセットになっているシリーズなので、思い入れが大きすぎるというのもあると思います;

映画の外の話になりますが、トランプ絡みの大統領選やコロナワクチンによって分断が発生した際、陰謀論者達がマトリックス世界のエッセンスやキーワードを煽動の道具に使ったという経緯があります。
製作者がこれに怒りを表明しており、それを踏まえてこの映画を見るとまた違った味わいがあるのは確かです。

しかし、そういった作者の思いが映画の面白さには繋がっていないのは非常に残念です。

とはいえ一時代を作った大ヒット映画の世界にもう一度浸れる、というだけでも一定の満足度を得られたのは確かです(ノスタルジーマーケティング大成功)

配給ワーナーの偉い人いわく、5作目も検討中とのことなので期待したいと思います!

歴史に残る一大シリーズの最新作、ぜひ劇場で御覧ください!

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