この記事で分かるのは▼
- 映画「呪術廻戦0」のストーリーと感想
- 呪術廻戦0は同シリーズ初心者でも楽しめる良作
- TVシリーズとは異なる独立した話で一本の映画としてよくまとまっている
こんにちは、BOBO(@BOBO08192729)です。
新年早々、映画「呪術廻戦0」を観てきました!
最初に自分のこの作品に対するスタンスを記しておくと、
原作漫画・・・未読
TVアニメシリーズ・・・視聴済み。大好き。
となっております。
TVシリーズ以降のストーリは全く知らない状態での鑑賞となります。
その点ご了承の上、お読み進めください。
※この先ストーリーの核心については言及していませんが、何の情報も入れずに映画を楽しみたい方は、映画を観終わってから記事をお読みください!
ストーリー
幼少のころ、幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太。
呪術廻戦0公式HPより
「約束だよ 里香と憂太は大人になったら結婚するの」
怨霊と化した里香の呪いに苦しみ、自身の死を望む乙骨だったが、
最強の呪術師・五条悟によって、呪術高専に迎え入れられた。
そして、同級生の禪院真希・狗巻 棘・パンダと出会い、乙骨はある決意をする。
「生きてていいって自信が欲しいんだ」
「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」
一方、乙骨たちの前にかつて一般人を大量虐殺し高専を追放された最悪の呪詛師・夏油 傑が現れる。
「来たる12月24日 我々は百鬼夜行を行う」
呪術師だけの楽園を標榜する夏油は、非術師を殲滅させんと、ついに新宿・京都に千の呪いを放ち――
果たして、乙骨は夏油を止められるのか、
そして、里香の解呪の行方は‥‥。
漫画で同様のエピソードを描いた読み切りが原作となっており、ところどころ映画用に描写を膨らませた以外はかなり原作に忠実な作りになっているそうです。
乙骨が呪術を学ぶための機関「呪術高専」に放り込まれるところからストーリーが始まるので、映画内で環境や人間関係が一から構築されていきます。
乙骨の視点が観客の視点と一致しているので、呪術廻戦初心者でも見やすい構成になっていました。
TVシリーズのおさらい
まずTVシリーズの感想を簡単にまとめておきます。
TVシリーズは「呪術」と呼ばれる異端の術を振るう人達との交流や、「呪霊」と呼ばれる実体化した呪いとの戦いを通して、主人公虎杖悠仁の成長を描くアクションアニメです。
自分が最初にこのシリーズを観た時は、呪術がいわゆる「東洋の魔術」的設定だったこと、主人公がその才を見出されて呪術を学ぶ機関に編入すること、仲のいい同級生たちと時には命がけの戦いを繰り広げること、呪術を行使できる「呪術師」の中には呪術を使えない「非術師」を蔑む急進派がいたりすること。
こういった点から、日本版ハリーポッターみたいだな、というのが最初の印象でした。
ディティールや設定面ではHUNTER×HUNTERやBLEACHに近いエッセンスが色濃く感じられます(※原作者の芥見下々先生はBLEACHのファンとのこと)
作品全体のトーンとしてはオカルト・Jホラー風味をまぶしつつ、コメディも多めに挟むことで怖さよりも楽しさが前に出る作品となっていました。
そして各キャラクターのルーツを掘り下げながらガッツリと感情移入させつつ、呪霊との命懸けの戦いに放り込む。
まさに少年漫画王道中の王道、誰でも楽しめるエンターテイメントとなっていました。
ちなみに好きなキャラは釘崎 野薔薇。
アニメS1最終話の悪役にしか見えない表情とセリフが最高でした。
感想
そして今回の劇場版「0」。
まずはアクションシーンを中心に作画のクオリティが本当に素晴らしかった。
制作は進撃の巨人ファイナルシーズンも手掛けるMAPPA。
この会社は少し前にチェーンソーマンのティザーでも業界をザワつかせていましたね。
画のクオリティという観点では、正統派&高密度な画作りを極める京都アニメーション、撮影処理による明暗や空気感で勝負のufotableと肩を並べる、ハイクラススタジオの一角だと思います。
また何かと鬼滅の刃と並べて比べられがちなこの作品ですが、アニメを見比べてみると鬼滅の方がセリフ説明が多く、呪術の方がいくらか映像的ストーリーテリングをしてくれている印象です。
(それでもまだ心理描写セリフが多いと感じますが、ジャンプ原作物としてはこれでも少ない方でしょう)
ところどころTVシリーズ上セリフでのみ語られていた話を実際に見せてくれる部分もあったりしますので、TVを観ていた人は「あーなるほどこの時に!」と楽しめると思います。
あと個人的に好きだったのは終盤のバトル最中、乙骨が里香に対してそれまでと明らかに異なる態度をとるシーン。
乙骨の成長を分かりやすく感じられましたし、直後の里香のメンヘラ丸出しな言動も笑えましたw
乙骨の高専入学から仲間たちとの交流、敵の出現と総力戦、そして里香の呪いについての決着。
一本の映画の中にキレイにまとまっており、ビジュアルのクオリティも上乗せされてとても楽しめました。
気になった点としては、原作が読み切りなのとTVシリーズ鑑賞済みの観客を想定しているからか、敵味方共に人物の掘り下げがあっさりめな点。
1シーン出てきて終わり、というキャラもいます。
ですがこれは致し方ない部分もありそうです。
キャラによってはTVシリーズで既に言及済みですし、まだ語られていないキャラについても、今後TVシリーズが続くであろうことを考えるとここで全てを語ってしまうわけにはいかないのでしょう。
これはTVシリーズと並行して制作される劇場版アニメ全般に常に言える問題だと思っていて、制作陣も苦慮しているのではないでしょうか。
また乙骨の最終目的は「里香の呪いを解くこと」なのですが、それは予告のセリフにもある通り「他者と関わりたい」「他者から必要とされたい」からでした。
この目的は、呪術高専に編入し真希ら同級生たちと仲を深めた時点で達成されているように見えます。
実際、映画終盤で乙骨が戦う動機は「呪いを解くため」ではなく「仲間を傷つけられたから」でした。
この時点で他者と関わりたいという乙骨の願いは叶っています。
このままだと里香の呪いがあってもなくてもが仲間たちは一緒にいてくれるでしょうから、呪いが解ける解けないはさほど重要ではないことになります。
呪いとしてこの世に留まり続けている里香を成仏させなくてはとか、何かの拍子に暴走したら危ないだろ、という問題は残るのでしょうが、乙骨側の問題が早々に解決してしまったように見えるんですよね。
とはいえその後の展開にあるひとひねり(具体的には乙骨と里香のある契約と、その後の顛末)があるため、そこのサプライズによってそこまで気にならなくなってはいます。
ちなみに主人公の乙骨はエヴァの碇シンジで有名な緒方恵美氏が演じているのです。
乙骨は性格的にもシンジに近いところがあり、特に映画序盤はどうしてもシンジがチラつきます^^;
後半ようやく乙骨に見えてきたな・・・と思ったらあるセリフで一気にシンジ君にしか見えなくなりますw
スタッフも狙ってやってること請け合いなので、ぜひ劇場でご確認ください。
まとめ
呪術廻戦初心者にも見やすいアクションアニメの良作だと思います。
原作未読のアニメ勢の感想としてお納めください。
時間軸としてはTVシリーズよりこちらが先なので、この映画きっかけでTVシリーズを観てみるのも大いにアリですね!
IMAXなど大きいスクリーンでも上映されているので、ぜひ映画館の大画面、大音響でご鑑賞ください。
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